米空軍幹部、ボーイングの「厳しい状況」指摘 空中給油機内にごみや工具
(CNN) 米空軍の調達担当幹部が、米ボーイングによる新型空中給油機「KC46」の点検に不備があり、納品された機内からごみや工具が見つかっていたことを明らかにした。
空軍で調達・技術・後方支援を担当する幹部のウィル・ローパー氏は、同機の組み立てが行われたボーイングの工場を視察して懸念を抱いたと語り、ボーイングは「経営トップがかかわる厳しい状況」にあるとの認識を示した。
問題の発覚を受けて空軍は2月20日から、新しいKC46の納入を中止している。
ローパー氏が工場を視察したのは11日。これに先立ちボーイングは新しい点検計画を約束し、点検の改善が完了した後に納入を再開することになっている。既に納入済みの6機については空軍による再点検が行われた。
機内でごみや工具が見つかったことは設計上の欠陥に起因するものではなく、具体的な安全上の懸念につながるわけでもない。それでも今回の問題は、737MAX型機の運航停止でボーイングが特に神経をとがらせているタイミングと重なったと空軍当局者は打ち明ける。
ローパー氏も、製造ラインを離れた航空機の機内にごみや工具などFODと呼ばれる異物が残っていたことは、設計上や安全上のリスクには当たらないと強調する一方で、軍にとっては重大な懸念材料になると指摘している。