米上院、非常事態宣言の無効化を決議 共和党から造反
ワシントン(CNN) 米上院は14日、トランプ大統領が国境の壁建設のために出した国家非常事態宣言を無効にする決議案を採決し、59対41の賛成多数で可決した。野党・民主党のほか与党・共和党からも12人が賛成に回った。
議会では大統領の拒否権を覆すだけの票数は確保できていない。ただ、先月の下院に続き上院でも決議案が通過したことで、トランプ氏は身内の共和党から手痛い打撃を受ける形になった。
上院共和党から決議案に賛成したのはロジャー・ウィッカー(ミシシッピ州)、マルコ・ルビオ(フロリダ州)、ロブ・ポートマン(オハイオ州)、スーザン・コリンズ(メーン州)、リサ・マーカウスキー(アラスカ州)の各議員ら。
ポートマン議員は採決に先立ち、「異なる資金にアクセスするために国家非常事態を宣言するのは、危険な前例を新たに設けることだ」と警告。「将来の大統領が自分の望む政策を何でも実行する事態につながりかねない」と述べた。
政権当局者は、トランプ氏が公開の場で決議案を拒否する計画が進んでいると明かした。15日にもカメラの前で拒否権を行使する方向で側近が調整しているという。
上院では前日にも、サウジアラビア主導のイエメン内戦に絡む軍事支援を削減するよう求める決議案が可決されており、2日続けて政権の方針に反旗を翻した形だ。