米国境警備当局、不法移民の急増で「限界」
ワシントン(CNN) 米税関・国境警備局(CBP)のマカリーナン局長は5日の記者会見で、メキシコ国境から流入する不法移民の急増に当局が対応しきれず、「限界」の状態が続いていると語った。
CBPによると、不法または正規の書類なしにメキシコ国境を越えて拘束された人は、先月だけで7万6000人を超えた。2月の記録としては過去12年間で最も多い人数だという。
このうち7250人が同伴者のいない子どもで、4万385人が家族連れだった。
昨年度まではメキシコから単独で越境する成人男性が大半を占めていた。しかし昨年10月から始まった今会計年度では、家族連れで拘束された人数が昨年度より300%も増えている。マカリーナン氏によれば、今年度に入ってからの5カ月余りで、すでに昨年度の合計人数を上回ったという。
メキシコ国境での拘束者のうち、同伴者のいない子どもと家族連れは6割以上を占めている。主に中米のグアテマラ、ホンジュラス、エルサルバドルの出身者が多い。メキシコからの不法入国者はただちに送還していたのに対し、こうした国からの家族連れに対応する収容施設は整備されていない。
100人以上の集団で越境するケースも多く、今年度は70組が拘束された。昨年度は13組、17年度は2組にとどまっていた。麻薬密輸業者が捜査当局の目を盗もうと、こうした集団を利用するケースも見つかっているという。
マカリーナン氏によると、CBPは家族連れや子どもへの暫定的な対応として、医療支援体制を強化し、国境沿いのテキサス州エルパソで審査手続きを集中的に処理する施設の建設を進めている。