ボーイング、737MAXの生産を継続 納入は停止
ニューヨーク(CNN Business) 米航空機メーカー大手ボーイングは14日、過去半年で2回の墜落事故を起こした新鋭機「737MAX」の生産を継続すると発表した。ただ、納入は停止する方針。
737MAXは同社のベストセラー機で、事故後も需要は非常に高い。昨年10月にインドネシアで起きたライオン・エアー機墜落と10日のエチオピア航空機墜落を受け、今週に入り世界各地で運航停止の措置が取られた。
米ワシントン州レントンの組み立てラインで働く数千人のボーイング従業員にとって、生産継続は良いニュースといえる。ただ、ボーイングは737MAXプログラムに携わる従業員の数を公表していない。
証券会社カウエンのアナリスト、カイ・フォン・ルモア氏は、ボーイングが運航停止を理由に生産中断に踏み切った場合、影響は甚大だっただろうと指摘する。部品の製造・納入が不可能になればサプライヤーも打撃を受けていたとみられる。
ボーイング機では2013年、「787ドリームライナー」がバッテリー発火問題を受けて3カ月の運航停止になったが、同社はこの時も生産を続けた。
フォン・ルモア氏によると、航空会社は通常、引き渡し時に機体のコストの約60%を支払う。ボーイングの第1四半期の売上高は納入停止に絡み18億ドル(約2007億円)ほど減少する見込みだという。
ただ、運航停止の期間については、顧客宛ての文書で「われわれの推測では数カ月ではなく数週間」と指摘。第2四半期には機体の売り上げが計上されるとみている。