米、中国海運2社に制裁 北朝鮮の制裁逃れ支援で
(CNN) トランプ米政権は21日、北朝鮮による制裁逃れを支援したとして、中国の海運企業2社を制裁対象に指定した。物別れに終わった先月の米朝首脳会談以降、米国による北朝鮮関連の制裁は初めて。
政権高官はCNNの取材に、今回の措置について、北朝鮮に対する経済圧力強化の兆しとみなされるべきではないと指摘。継続的な取り組みの一環という位置付けであり、国や組織による制裁の維持を徹底する狙いだと強調した。
ハノイで行われた首脳会談では、北朝鮮が非核化の取り組みと引き換えに制裁の大部分を解除するよう要求。北朝鮮の強気の要求に加え、非核化の約束が不明確だったこともあり、合意に至ることはできなかった。
トランプ政権は新たな制裁の導入で、北朝鮮の要求に屈しない姿勢を改めて示した格好だ。制裁対象となった中国企業のような会社に対し、北朝鮮との違法活動を見過ごすつもりはないとのメッセージを発する狙いがある。
前出の当局者は「われわれは突き止める。彼らの立場は危うい」と強調。他の企業に対し、北朝鮮との違法活動に及べば制裁の可能性があると警告した。
ボルトン米大統領補佐官(国家安全保障問題担当)も同様の姿勢を示し、ツイッターで「誰もが状況を注視し、北朝鮮の制裁逃れに関与していないか自分たちの活動を見直さねばらない」と述べた。