EU、グーグルに1900億円支払い命令 3度目の巨額制裁
ロンドン(CNN Business) 欧州連合(EU)の欧州委員会は20日、米インターネット大手のグーグルが独占的な地位を乱用してインターネット検索広告の競争を妨げたとして、独禁法違反で15億ユーロ(約1900億円)の制裁金支払いを命じた。
EUがグーグルに巨額の制裁金を命じるのはこれで3度目となる。
ベステアー欧州委員は、グーグルが他社を契約で制限することによって「独占的地位を固め」、「自らを競争圧力から守った」と語った。
欧州委員会によると、グーグルはネット広告サービス「アドセンス」の契約に排他的条項を設けることで、競合企業の広告掲載を妨害したとされる。
アドセンスは、広告を出稿する側と掲載する側を仲介するサービスで、検索内容に応じてウェブサイトに広告が掲載される仕組みを提供している。
ベステアー欧州委員は、グーグルの不法行為は10年間続いたと述べ、その期間を制裁金に反映させたと説明した。グーグルの2018年の利益は約310億ドルだった。
欧州委員会は、グーグルは2016年7月、同委員会から通告を受けて不法行為を中止したとしている。
欧州委員会は2018年7月にもグーグルに対して43億4000万ユーロの制裁金支払いを命じ、その前には24億ユーロの制裁金を科している。
これでグーグルが2017年以降にEUから命じられた制裁金の総額は82億ユーロ(約1兆円)になった。
ベステアー委員は、グーグルに対する苦情は続いていると述べ、「仕事検索やローカル検索の検索市場についても調査を行っている」と明らかにした。
グーグルは20日、「我々は欧州委員会の懸念に応え、既に幅広い変更を行った」との声明を発表した。