英議会、「合意なき離脱」を否決 離脱延期の公算高まる
ロンドン(CNN) 英議会は13日、欧州連合(EU)からの「合意なき離脱」を拒否する動議を賛成多数で可決した。メイ首相はまたも手痛い敗北を喫した形で、離脱延期の可能性が高まった。
動議はメイ氏に対し、いかなる場合でも合意なき離脱の選択肢を拒否するよう求める内容。メイ氏の提案よりも踏み込んだ文言となった。
14日には、今月29日に迫った離脱期限の延長の是非に関して採決を行う。
今回の動議は賛成321、反対278で可決された。当初の法的な状況は変わっておらず、離脱条件で合意に至らないか、EUが離脱延期に同意しない場合、2週間ほどで英国は合意なき離脱に突入することになる。
メイ氏は議会下院での演説で、議会が離脱案について合意できれば、政府はEUに「短期の限定的な延期」を求めると表明。「こうした延期が提示されるのは合意がある場合のみだろう」と強調した。
さらに、数日以内に合意をめぐる意見の一致をみなければ、延期を長期化する必要が出てくると指摘。その場合は5月の欧州議会選に参加せざるを得なくなるとし、「これは正しい展開だとは思えない」と述べた。
ただ、英議会がメイ首相の離脱案を支持する可能性は低いとみられる。議会は12日、メイ氏の離脱案を再び大差で否決していた。
一方、欧州の政治家の間でもムードは硬化している。離脱案を再交渉したり、具体的な目的がないまま離脱延期を承認したりすることには消極的な模様だ。