英政府、EU離脱案の「修正」確保と発表 土壇場で合意
ロンドン(CNN) 英国のメイ首相が11日、フランスのストラスブールで欧州連合(EU)離脱を巡る交渉にのぞみ、土壇場で「法的に拘束力のある修正」を確保した。リディントン内閣府担当相が英国議会で発表した。
修正は、英国のEU離脱に関する協定案を「強化・改善する」内容。離脱条件には影響しないものの、離脱に向けたバックアップを法的に保証する。
欧州委員会のユンケル委員長はツイッターへの投稿で、「英国の離脱を秩序正しく終わらせよう。我々には歴史に対する責任がある」と述べ、EUのトゥスク大統領に宛てた2通の書簡も掲載した。
書簡では18日後に迫った英国のEU離脱について、秩序正しい離脱を保証するためにメイ首相を支援するよう、EUに促している。
英国議会はメイ首相がまとめた協定案について12日に採決を行う。これまでのところ、メイ首相の協定案が議会で可決されるかどうかについては懐疑的な見方が広がっている。
リディントン内閣府担当相は、ストラスブールでの交渉は続いていると述べ、議会に対してはできるだけ早い段階で進捗(しんちょく)状況を説明するとした。
12日の採決については、メイ首相の「改善案」を通過させるか、あるいは「この国を政治的混乱に陥れる」かの選択になると牽制(けんせい)している。
英国のEU離脱は29日に迫っている。議会が協定案を通過させなかった場合、合意なしにEUを離脱するか、期限の延長を求めてメイ首相に再びEUと交渉させるかの選択肢が残る。