英EU離脱、メイ首相が延期につながる採決容認
ロンドン(CNN) 英国のメイ首相は26日、来月29日に予定される英国の欧州連合(EU)からの離脱をめぐり、自らの掲げる離脱協定案が同12日の議会で否決された場合、離脱時期の延期を認めるかどうかの採決を改めて行う意向を明らかにした。英政府が離脱延期を選択肢として受け入れる方針を示すのは初めて。
メイ首相が下院に向けた声明で発表した。それによると、自身の離脱協定案が否決された場合、まず翌13日にEUとの合意がないまま予定通り離脱することを認めるかどうかの採決を下院で行う。
これが否決された場合には、メイ首相に対し離脱を数カ月先送りする措置をとるよう求めるかどうかの採決を議会で再び実施する。
いかなる形であれ、離脱の延期はまず英国からの要請があった後、EU加盟27カ国の首脳の同意を必要とする。EU首脳による次回の会合は来月21日の予定で、離脱延期の要請があった場合、それを認めるかどうかの判断が下されるのは早くてもこの日となる。
英政府が選択肢としての離脱延期に初めて言及した背景には、2大政党の双方で起きている内部対立がある。先週、与党保守党からはEU離脱の対応に反発した議員3人が離党。最大野党の労働党からも、EU離脱をめぐるコービン党首との見解の違いを理由に議員8人が離党した。
このため政府の方針転換については、EU離脱問題で生じた両党の混乱の収拾を図る政党運営の手段にすぎないとする見方もできる。