トランプ大統領、対トルコ制裁を発表 議会や軍からの批判受け
ワシントン(CNN) トランプ米大統領は14日、シリア北部への軍事作戦を展開するトルコの当局者に新たな経済制裁を科すと表明した。議会共和党や軍から強い批判が出ていることを受け、トルコに対する厳しい姿勢を打ち出そうとした形だ。
トランプ氏はツイッターで声明を発表し、近く大統領令を通じてトルコの新旧当局者に対する制裁を承認すると表明。鉄鋼関税の再引き上げや通商協議の打ち切りにも言及した。
声明では「トルコの軍事攻勢は民間人を危険にさらし、地域の平和と安全、安定を脅かしている」と指摘。「私はエルドアン大統領に対し、トルコの行動が人道危機を促進し、戦争犯罪が起きかねない状況を作っていると完全に明確に伝えてきた」とした。
ペンス副大統領によると、トランプ氏はエルドアン氏と電話会談し、軍事侵攻への不快感を「これ以上なく毅然(きぜん)と」表明したという。
ペンス氏は近くトルコを訪問し、トルコとシリア、クルド人勢力の間での停戦仲介を支援する方針。クルド人勢力はこれまで同盟関係にあった米軍の撤収を受け、シリア政権と連携している。
米政権に対してはここ数日、共和党や国家安全保障関係者から強い批判が出ていた。14日の展開からは、シリア北部情勢の混迷が深まる中、ホワイトハウスがより厳しい姿勢を取ろうと試みていることがうかがえる。
ペンス氏は急きょホワイトハウスに現れた際、トランプ氏による米軍撤収の決断が現在の混乱を招いたわけではないと強調。「米国はトルコによるシリア侵略を容認したわけではない」と述べた。