トランプ大統領がシリア北部からの米軍撤収を指示 米国防長官
(CNN) エスパー米国防長官は13日、CBSテレビのインタビューで、トランプ大統領がシリア北部に残る米軍部隊の撤収を指示したことを明らかにした。
エスパー氏はこの中で「米軍部隊は敵対しつつ進軍する2つの勢力に挟まれる可能性が高く、持ちこたえるのは非常に難しい状況だ」と説明。12日夜にトランプ大統領と協議した際、シリア北部から「計画的に撤収」するよう指示があったと明らかにした。
またエスパー氏によると、クルド人主体の部隊「シリア民主軍(SDF)」が北部でのトルコの攻撃に対抗するため、シリア政権や後ろ盾のロシアと取引する方針だとの情報を入手したという。SDFは過激派組織「イラク・シリア・ イスラム国(ISIS)」との戦いにおける米国の主要な同盟勢力。
エスパー氏は直近24時間で初めてこうした動きを把握したとしているものの、CNNは先に、SDF司令官が10日の時点で米高官にシリア政権やロシアに接近する考えを示したと報じていた。
トルコ軍は現在、シリア国内をさらに南下している。トルコによる先週の侵攻開始に先立ちトランプ氏は、侵攻が間近に迫っているとの見方を踏まえ、50人程度の小規模な米軍部隊に国境地帯からの撤収を指示していた。
共和党議員などからはトランプ氏の決断について、クルド人に対する裏切りであり、米国の信頼性を弱める戦略的失敗と批判する声が出ている。
米当局者は13日、CNNに対し、撤収のペースについては米中央軍が決定すると説明。即時撤収ではなく「数日から数週間」をかけて計画的に実施するとしている。