自宅待機命令への抗議デモ、参加者に医療従事者が対峙 米コロラド州
(CNN) 米コロラド州でこのほど、新型コロナウイルス対策の自宅待機に反発する大規模な抗議デモに対し、少数の医療従事者のグループが路上でその行く手を遮って異を唱える出来事があった。
抗議デモは19日、コロラド州の州都デンバーで行われた。集まった数百人の参加者は旗やプラカードを掲げながら路上で車を走らせ、クラクションを鳴らすなどした。CNN系列局のKCNCは、この日デンバーで2つの団体がデモを行ったと報じた。
デモの様子をとらえた写真や動画には、少数の医療従事者の姿も見える。手術着に身を包み、防護マスクを装着したこれらの医療従事者は車両の前に立ちふさがり、デモに対する抗議の意思を示している。
医療従事者らはサングラスをかけており、人物を特定することはできていない。
動画の1つでは、米国旗のシャツを着た女性がピックアップトラックの助手席から身を乗り出し、「Land of the Free(自由の国)」と書かれたプラカードを掲げている。女性は前方に立つ医療従事者に向かって「ここは自由の国だ。共産主義を望むなら中国に行きなさい」と叫んだ。
見たところ当該の医療従事者は反応を示さなかったが、画面に映らないところでは別の人物も大声を上げているのが聞こえた。
米ジョンズ・ホプキンス大学によると、コロラド州でこれまで確認された新型コロナウイルスの感染者数は9730人。死者は420人に上っている。ポリス知事が発した自宅待機命令は今月26日まで施行される予定。
新型コロナウイルス感染対策としての種々の規制をめぐっては、全米で抗議活動が起こっている。参加者らは外出を禁じられる状況について、個人の自由への侵害であり、暮らしを破壊するものだと不満を訴える。
現在米国民の97%以上が、何らかの形での自宅待機または屋内退避を強いられている。トランプ大統領は、多くの州が来月1日に活動を再開するとの見通しを示している。