強い倦怠感、味覚や嗅覚の喪失 トム・ハンクスさん夫妻を襲った新型ウイルスの症状
(CNN) 新型コロナウイルス感染症(COVID―19)のため、妻のリタ・ウィルソンさんとともにオーストラリアの病院で一時隔離されていた米俳優のトム・ハンクスさんが、このほどラジオ番組に出演し、強い倦怠(けんたい)感に襲われた当時の病状を振り返った。
ハンクスさん夫妻は先月、オーストラリア滞在中に新型コロナウイルス感染症と診断され、クイーンズランド州の病院に入院した。ハンクスさんの症状は、ウィルソンさんほどは悪化しなかったものの、「12分(の運動)で疲れ果て、病院のベッドに横になってただ眠った」という。
「私は床の上で簡単なストレッチと運動をしようとしただけなのに、半分もできなかった。医師は眼鏡越しに私を見て、まるで世にも頭が悪い人間に話しかけるような様子で言った。『あなたはCOVID―19ですから』」(ハンクスさん)。
妻のウィルソンさんは、抗マラリア薬「ヒドロキシクロロキン」のために嘔吐(おうと)がひどく、一時は歩くことさえできなかったという。
ハンクスさんによると、「妻は私より高熱があり、ほかの症状もあった。味覚や嗅覚を失って、食べる楽しみが一切なくなった。吐き気があまりにひどく、ベッドから施設まで床を這(は)って行かなければならないほどだった」
ウィルソンさん自身も先に出演したCBSの番組の中で自身の病状に触れ、「ひどい痛みがあって、不快感が強く、触れられたくなかった。それから熱が出始めた」と証言。38度台の高熱があり、「それまで経験したことのない悪寒」に襲われたと話していた。
2人はその後、無事に回復して、3月下旬に米ロサンゼルスの自宅に戻っている。