南軍司令官にちなむ基地名の変更、トランプ大統領が反対表明
(CNN) トランプ米大統領は10日、南北戦争時の南軍司令官の名を冠した基地や施設の名称を変更するよう求める声が出ていることに触れ、全面的に反対すると表明した。
陸軍当局者によると、マッカーシー陸軍長官とエスパー国防長官は名称変更に関する「超党派の協議」を開くことに前向きとされる。米国には南軍司令官の名を冠した主要基地や施設が十数カ所ある。
しかし、トランプ氏はツイッターで、こうした基地について「偉大な米国の遺産の一部であり、勝利と自由の歴史の一部だ。米国はこれらの神聖な地で英雄たちを訓練して派遣し、二度の世界大戦で勝利した」と述べ、名称変更は検討すらしないと表明した。
南軍指導者にちなみ命名された陸軍の施設としては、ノースカロライナ州のフォートブラッグや、テキサス州のフォートフッド、バージニア州のフォートAPヒルなどがある。外部からは名称変更を求める声が強まっているが、各地の陸軍基地は依然、南軍司令官の名を使用し続けている。
米国ではミネソタ州で起きた黒人男性死亡事件を受け、正義の実現と人種間の不平等の清算を求める平和的なデモが発生。これをきっかけに現状を見直す動きが相次いでいる。
陸軍当局者によると、マッカーシー氏は独自の判断で施設の名称を変更する潜在的な権限が自身にあると考えているものの、その場合もホワイトハウスや連邦議会、州政府、地元自治体との協議が必要になる見通しだという。