NYで暴行され重傷の日本人ピアニスト、手術受け回復中

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暴行され重傷を負った海野雅威さん。手術を受けて現在は回復しつつあるという/Paul Charbit/Gamma-Rapho/Getty Images

暴行され重傷を負った海野雅威さん。手術を受けて現在は回復しつつあるという/Paul Charbit/Gamma-Rapho/Getty Images

(CNN) 米国で活動する日本人ジャズピアニストの海野雅威さんが先月末、ニューヨーク市内の地下鉄の駅で暴行されて重傷を負い、病院に入院した。ニューヨーク市警や本人の家族が明らかにした。妻によると、手術を受け現在は回復に向かっている。

警察の調べによると、海野さんは9月27日、ハーレム地区にあるウエスト135番ストリート駅で、改札口をふさいでいた若者の集団に目を付けられた。

海野さんが集団を避けようとしたところ、後ろから押されて暴言を浴びせられ、男1人が海野さんを殴るなどの暴行を続けた。海野さんが倒れると男は現場から逃走し、海野さんは近くの病院に運ばれた。ニューヨーク市警によると、容疑者はまだ逮捕されていない。

ジャズピアニストで作曲家の海野さんは、首都ワシントンのケネディーセンターやニューヨーク市内のブルーノートなどのジャズクラブで演奏活動をしている。ニューヨークには2008年から住んでいた。

海野さんの長年の友人で指揮者のジェローム・ジェニングスさんは、クラウドファンディングサイトの「Go Fund Me」を通じて募金を募り、11日までに目標を大きく超える12万2000ドル(約1300万円)が集まった。

ジェニングスさんによると、海野さんは暴行されて右鎖骨の骨折や頭部と身体の打撲などの重傷を負い、病院に緊急搬送された。

妻によれば、手術を受けて現在は回復に向かっているという。

ニューヨーク市警は8月、アジア系に対するヘイトクライム(憎悪犯罪)を取り締まる専従班の創設を発表していた。新型コロナウイルスが流行する中で、アジア系米国人に対する人種差別的な暴行などの事件が増えたことを受けた措置。市警は海野さんに対する暴行事件について、現時点ではヘイトクライムとしての捜査は行っていない。

しかし地元の政治家などからは、憎悪に起因する犯罪として非難する声も上がっている。

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