黒人男性射殺の警官、署長が免職を勧告 別の警官も捜査 米オハイオ州
(CNN) 米オハイオ州コロンバス警察の警官が黒人男性を射殺した事件で、同警察の署長は24日、警官1人の免職処分を進める方針を発表した。
黒人男性のアンドレ・モーリス・ヒルさん(47)は22日、アダム・コイ警察官によって射殺された。23日に公開されたボディーカメラの映像には、携帯電話を左手に持ってコイ警察官の方に歩いてくるヒルさんの姿が映っていた。
コロンバス警察のトーマス・キンラン署長は24日、コイ警察官に重大な不正行為があったとして2件の罪で告発したと述べ、事件にかかわった別の複数の警察官についても捜査していることを明らかにした。
「今日はクリスマスイブなのに、アンドレ・ヒルさんの家族はこのホリデーを祝うものが何もない。とても大切な人が、この祝日も、そのほかの日もいなくなった。その責任はコロンバス警察の警察官にある」
キンラン署長はそう述べて、ボディーカメラの映像を見て即座にコイ警察官の免職を決めたと説明。「性急な判断だと言われるかもしれないが、そうではない」「この違法行為が罪のない男性の命を奪った」と断言した。コイ警察官は事件を受けて停職処分となっていた。
コイ警察官は28日に公衆安全局長の事情聴取を受け、免職勧告について同局長が判断する。
今回の事件では、男性が車の中に長時間座ってエンジンをかけたり切ったりしているとの通報があり、コイ警察官など数人が出動した。現場に到着した警官は、ガレージの扉が開いていて中に男性が1人いるのを発見。ボディーカメラの映像には、ヒルさんが携帯電話を左手に持ち、コイ警察官の方に向かって歩いてくる姿が映っていた。右手は見えなかった。
コイ警官は後ずさりして、数秒後に発砲。ヒルさんは搬送先の病院で死亡した。現場から武器は回収されなかった。