米CIA長官にバーンズ元国務副長官、共和クルーズ氏も賛成に回る
(CNN) 米上院は18日、ウィリアム・バーンズ元国務副長官をバイデン政権の中央情報局(CIA)長官に充てる人事案を承認した。態度を保留していたテッド・クルーズ上院議員が賛成に回ったことから、全会一致での承認となった。
上院は今回、本会議での発声投票によりバーンズ氏の指名を承認。これにより、バイデン政権の安全保障チームの高官が全員そろった。
バイデン氏は今年1月、バーンズ氏の起用を表明。オバマ政権で国務副長官を務めるなど、30年以上にわたって外交関係のポストを歴任したベテラン外交官に白羽の矢を立てた。国務省で全キャリアを積んだ人物の長官就任はCIA史上初となる。
バーンズ氏の指名は今月上旬、上院外交委員会で全会一致で承認されていた。2月に行われた指名承認公聴会では、民主、共和両党の議員から称賛が集まった。
指名承認が危ぶまれる場面はなかったが、本会議での迅速な承認はクルーズ氏により阻まれた。
クルーズ氏が態度を保留したのは、ロシアとドイツが共同開発する天然ガスパイプライン「ノルドストリーム2」をめぐり、バイデン政権に圧力をかける目的だった。クルーズ氏を含む共和党議員はバイデン政権に対し、ノルドストリーム2の完成を阻止するために制裁を科すよう求めている。
ブリンケン国務長官は18日の声明で、ノルドストリーム2について悪い取引との見方を示し、国務省は「(計画に)関わっているとみられる事業体に関する情報を精査中だ」と述べた。
これを受けクルーズ氏は同日、ブリンケン氏の声明を歓迎すると表明。バーンズ氏のほか、国務副長官(管理・資源担当)に指名されたブライアン・マキオン氏の承認についても賛成に回った。