バイデン氏から「殺人者」と呼ばれたプーチン氏、オンラインでの公開討論申し込み
モスクワ(CNN) 米国のバイデン大統領がロシアのプーチン大統領を「殺人者」と形容したことについて、ロシア政府が怒りをあらわにしている。バイデン氏のコメントは前代未聞だとしたうえで、両国関係が「極めて険悪」な状態にあるとの認識を示した。
一方でプーチン氏本人は、上記のコメントが出された後の18日、バイデン氏に対してオンラインでの公開討論を開催しようと呼びかけた。
バイデン氏は17日放送の米ABCとのインタビューで、2020年に行われた米大統領選にロシアが介入を試みたとの見方を表明。それに関連し、ロシアのプーチン大統領は「代償を支払う」ことになると語った。米諜報(ちょうほう)機関は先に、ロシアが大統領選に介入を試み、バイデン氏の信用を落とそうとしていたとの報告書を発表していた。
番組で司会者から、プーチン氏は「殺人者」だと思うかと問われたバイデン氏は、少し考えた後で「そう思う」と答えた。
ロシア大統領府のペスコフ報道官は18日、記者団に対し、バイデン氏のコメントについて「歴史上類を見ない」と発言。バイデン氏にはロシアとの関係を改善する気が全くないのが明らかだとし、現在の両国関係を「極めて険悪」と形容した。
プーチン氏自身は同日、バイデン氏のコメントを受けて、同氏に機会を提供して議論を継続したいと述べた。その場合議論はオンラインで、お互い事前収録はせず、開かれた直接対話の形式にするのが条件だとした。
「ロシア国民にとっても米国民にとっても興味深い討論になると思われる。他の多くの国々にとってもそうだろう」(プーチン氏)
ロシア国営のタス通信は、プーチン氏がすでにバイデン氏を討論に招待したと報じた。日付は19日か22日に設定しているという。
ホワイトハウスのサキ報道官は記者会見で、プーチン氏からの招待を検討しているとしつつ、政権がそれに応じるかどうかについて確かなことは言えないと述べた。