国連大使殺害を企てた疑い、ミャンマー人2人を逮捕 米NY
(CNN) 米連邦検察当局は6日、ミャンマーのチョーモートゥン国連大使の殺害などを企てたとして、ミャンマー人2人をニューヨーク市で逮捕・訴追したと明らかにした。
ニューヨーク州南部地区の連邦検察によると、2人はミャンマー国軍と取引する武器商人と共謀し、同大使に重傷を負わせるか殺害しようとした疑いが持たれている。
ミャンマー軍が2月1日にクーデターで権力を奪取して以降、チョーモートゥン国連大使は軍による文民政権転覆やデモ弾圧を公然と批判してきた。国連は軍政の正統性を認めておらず、チョーモートゥン氏は引き続き国連で文民政権の代表を務めている。
チョーモートゥン氏はCNNに対し、犯行計画については今月3日に把握し、現実味のある脅威だと判断して、米国連代表部や法執行機関に通報したと明らかにした。現在は連邦捜査局(FBI)やニューヨーク市警から24時間体制で警護を受けているという。
28歳と20歳の容疑者2人はいずれもニューヨーク在住で、外交当局者への襲撃を共謀した容疑で訴追された。有罪となった場合、最高で禁錮5年を言い渡される可能性がある。
訴追状によると、容疑者の1人はFBIに対し、武器商人はフェイスブックなどで接触してきて、襲撃犯を雇うために現金を支払うと持ちかけられたと供述。大使にけがを負わせ辞任に追い込む狙いがあったとされる。
チョーモートゥン氏が辞任しなかった場合、大使の車が事故を起こすようにタイヤに細工し殺害するよう提案されたという。
チョーモートゥン氏は国連での演説で、クーデター阻止のために「あらゆる必要な手段」を行使するよう訴え、2月27日に国連大使を解任された。同氏は辞任を拒否し、国連もこの判断を支持した。