数万人がブレークスルー感染か、大半は重症化せず 米CDC所長
(CNN) 米疾病対策センター(CDC)のワレンスキー所長は5日、新型コロナウイルスのワクチン接種者のうち数万人がブレークスルー感染(接種後の感染)する可能性があるものの、大半は重症化を免れるだろうとの見方を示した。
流行の現段階においては、感染者数ではなく重症度が理解すべき重要な概念になるとしている。
ワレンスキー氏はCNNの番組で、「1億6400万人がワクチン接種を受けた今、おそらく数万人のブレークスルー感染者が出ることを想定すべきだ」と説明。そのうえで「こうしたブレークスルー感染者は症状が軽く、病院外で過ごしている。亡くなってはいない。これこそ理解すべき最も重要な点だと思う」と述べた。
ブレークスルー感染とは、ワクチン接種を完了した人が新型コロナウイルスに感染する現象を言う。
米国では現在、新型コロナウイルスの変異株「デルタ株」が各地で猛威を振るい、ワクチン接種率が低い地域を中心に大きな影響が出ている。専門家や政府当局者は国民に対し、状況がさらに悪化する前にワクチン接種を済ますよう呼び掛けている。
ルイジアナ州では、入院患者が連日で過去最多を更新して2421人になり、フロリダ州も6日、過去1週間で13万4506人の新規感染者が出たと明らかにした。
CDCのデータによると、これまでに米国民の約58.4%が少なくとも1回ワクチンを接種し、約50%が接種を完了している。