バイデン氏、8月末の撤退期限を維持 「早く終えるほどいい」
(CNN) バイデン米大統領は24日、ホワイトハウスで演説し、アフガニスタンからの退避作戦や軍の撤退を今月31日までに完了できるとの見通しを示した。
バイデン氏は作戦の成功はイスラム主義勢力タリバンの協力にかかっていると認めた。軍幹部に対し、必要な場合に備えて、予定を調整する選択肢の準備も指示したと明らかにした。
バイデン氏は「我々が早く終えるほどいい」「作戦が1日長引くごとに我々の軍のリスクが増す」とも述べた。
同日には先進7カ国(G7)の緊急首脳会議が開かれ、バイデン氏は8月末の撤退期限を維持する方針を伝えた。継続する安全保障上のリスクを主な理由として挙げ、情勢が不安定であり、アフガンで活動する過激派組織「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」系の組織から攻撃を受ける急速なリスクがあると指摘した。
G7の他の参加国からは、自国民と協力者のアフガン人を退避させるためにさらに時間が必要だとして、バイデン氏に撤退期限の延長を迫る圧力があった。だが、バイデン氏は9月に米軍が直面するリスクを念頭に、今月末までに退避を終わらせたいと明確に伝えた。
米国防総省は来週までに残っている米国人全員を退避可能と自信を見せるが、米国の協力者で出国を待っている多くのアフガン人を退避可能かは不透明な状況だ。米政権高官の一人は、米国が助けようとした多くのアフガン人が取り残されるだろうとの見方を示した。
この高官によると、過去10日間で7万人が退避したが、米国に来る資格のあるアフガン人協力者の数には及ばないという。バイデン氏はそれを5万~6万5000人と見積もるが、退避した7万人の多くには欧州の同盟国が優先的な退避を認めたアフガン人のグループが含まれている。
同高官は、アフガンにまだとどまる米国人の数の推計は避けて、25日のブリンケン国務長官の発表に委ねると述べた。ただ、この数週間で多くの人々が離れたため「多くの人が思うより低い数になるだろう」と語った。
バイデン氏によれば、過去12時間で1万2000人がアフガン首都のカブールを離れた。6400人は米軍機の19便で、5600人は同盟国の31便で運ばれた。
タリバンは撤退期限は不動であり、期限を過ぎて米軍が残留すれば米国との協定の「明確な違反」になると警告している。シャヒーン報道官は23日、「8月31日を過ぎて米国がとどまれば、我々の指導層は適切で必要な決定を行う」「8月31日の撤退期限は米国が発表したものだ」と述べた。
一方、英国とフランスは、あと数日でも撤退期限を延長するように迫り、それでもバイデン氏が当初示した9月11日の撤退期限は達成されると主張している。
米民主党内からもこれと同じ意見が出ている。下院情報特別委員会のシフ委員長は、全ての米国人と協力者を8月末までに撤退させるという目標の達成は「可能性が非常に低い」と述べた。
下院では24日朝に国務長官や国防長官を含むバイデン政権の国家安全保障チームが議員らに状況を説明した。会合後、民主、共和両党の議員が、撤退期限の延長を政権側に求めたと明らかにした。