タリバン支配下のアフガニスタン、経済の先行きに暗雲 前中銀トップが予想
ニューヨーク(CNN Business) 食料品価格の高騰、限られた資金、そして難民の急増。イスラム主義勢力タリバンが支配するアフガニスタンの経済の見通しには希望が見えない。同国の中央銀行を率いていたアジュマル・アフマディ氏が指摘した。
アフマディ氏はこのほど、CNNの取材に答え「アフガニスタンは残念ながらすでに数多くの危機に見舞われている」と述べた。具体的には新型コロナウイルス、紛争、干ばつを挙げた。
そのうえで「当面はそれに加えて経済的苦境にも陥る」「アフガニスタンの人々にとって対処は極めて困難になるだろう」と予測した。同氏はすでに首都カブールを脱出している。
タリバンについては、「政策課題が何なのか明確にしていない。誰が経済のかじ取りを担うのかも判然としない」と指摘。実際の統治や経済政策の決定で困難に直面するだろうとの見方を示した。
最も差し迫った財政上の問題は、国内の米ドルが事実上底をついていることだ。これは巨額の貿易赤字を抱えるアフガニスタンのような国にとって大打撃となる。
アフガニスタン向けの米ドル資金の送付は、カブール陥落前の暴力や混乱によって頓挫。さらに米国政府は、アフガン中銀が米国に保有する資産を事実上凍結し、タリバンに資金が流れるのを阻止している。
国際通貨基金(IMF)も、米国からの圧力を受け、アフガニスタンに対して近く配分される予定だった資金4億5000万ドル(約490億円)について停止を発表した。