中国の米大使館、外交官の出国許可を要請 コロナ規制の厳格化恐れ
北京(CNN) 中国で新型コロナウイルス封じ込めの対策が一層厳格化される中、在中国米大使館が外交官と家族の出国を認めるよう、国務省に正式要請した。事情に詳しい複数の関係者が明らかにした。
関係者がCNNに語ったところによると、国務省はまだ要請を認めていない。
出国許可が出た場合、米大使館や領事館の職員や家族は中国に戻っても安全と判断するまで一定期間、中国から出国できる選択肢を与えられる。この措置は、避難が義務付けられる出国命令とは異なる。
中国は今も、全症例を国境で食い止めることを目指す「ゼロコロナ」戦略に固執している。
オミクロン変異株の症例が確認されて以来、中国各地で感染が相次ぎ、当局はそのたびに集団検査や厳格なロックダウン(都市封鎖)、接触確認、移動制限などの措置を講じている。中には突然ロックダウンが始まって、オフィスやショッピングモールにいた人が、検査で全員の陰性が確認されるまで何日もその場にとどまることを強いられた都市もある。
米外交関係者によると今回の要請は、ここ数カ月で強化された中国のコロナ規制をめぐり、突然のロックダウンや隔離措置によって子どもが両親から引き離される恐れもあるとして、複数の外交官や家族から不安の声が出たことを受けた措置。
現在は中国の米外交使節団と中国外務省との合意に基づき、たとえ隔離された場合でも未成年を保護者から引き離さない措置が認められている。しかしオミクロン株の感染が拡大する中、中国国家衛生当局がこの合意を覆す可能性があるとの懸念が強まった。
外交関係者は「感染を恐れているわけではない」と述べ、「恐れているのは、感染力の強いオミクロン株が他国のように急増した場合、さらに厳格でもっと予想がつかない措置に結び付きかねないことだ」と指摘した。