オミクロン流行期は重症化率が低下 米CDCの研究報告
(CNN) 米疾病対策センター(CDC)は25日、新型コロナウイルスの変異株、オミクロン株による感染症の流行期には、従来株やデルタ株の流行期と比べて入院患者の重症化率が低かったとする研究結果を発表した。
感染者1000人当たりの入院患者数や死者数のピークも、オミクロン株ではこれまでを下回っているという。
研究チームは各州の保健当局から報告される感染者、死者の人数や、全米199カ所の病院の患者30万人あまりのデータを基に、米国内で最初に感染が拡大した2020年12月から昨年2月、デルタ株が中心だった昨年7月中旬から10月、オミクロン株が優勢になった昨年12月中旬から今年1月中旬の3期間を比較した。
それによると、入院患者のうち集中治療室(ICU)に収容された患者の割合はオミクロン期が13%前後と、デルタ期と昨冬の各18%より低かった。オミクロン期に入院先で死亡した患者は約7%で、これまでの12%あまりを下回った。
入院期間も平均5.5日で、デルタ期の7.6日、昨冬の8日に比べて短くなった。
研究者らは、こうした傾向の背景に複数の要因があったとの見方を示し、ワクチンの追加接種も含めた普及状況、既往感染で獲得された免疫の効果、オミクロン株の病原性が低い可能性を挙げた。
また、オミクロン株は重症化率が低いとみられるものの、多数の入院患者が地域医療を圧迫する恐れはあり、死者数も依然として多いと指摘。全国的な緊急即応態勢が重要だと強調した。
具体的には、病院の収容人数を拡大し、各地の保健体制に適切な人員を配置するよう提言した。ワクチンが重症化や死亡を防ぐ効果も改めて示されたとの見方を示した。
さらに、研究結果は個人のリスクを示す数値ではないとして、ほかの病気で入院した患者に新型コロナ感染が偶然見つかったケースや、オミクロン期の初期に混在していたデルタ株による感染例が、重症化率の数値に影響した可能性もあると説明している。