「コロナとの共存」に踏み切る欧州、英コロナ規制はほぼ全面撤廃
(CNN) 英国が「コロナとの共存」を目指す計画を推進している。27日からは、新型コロナウイルス関連の規制がほぼ全面的に撤廃される。欧州では症例数が増えていても規制緩和に踏み切る国が相次いでいる。
英イングランドでは、27日から新型コロナウイルスの検査結果やワクチン接種を証明する「コロナパス」を提示しなくてもナイトクラブやイベント会場などに入場できるようになり、公共の場でマスクを着用する必要もなくなる。ただし公共交通機関では引き続きマスク着用が義務付けられる。ウェールズ、スコットランド、北アイルランドも規制緩和に踏み切る。
英政府は今回の規制撤廃について、科学的根拠に基づく措置だと強調している。
感染力の強いオミクロン変異株による新規の症例は減少傾向にある。公式統計によると、1日あたりの感染数は、ピークだった今月4日の24万5000超から、24日には6万程度に減少した。
症例数以上に重視されているのは、現在世界で猛威を振るっているオミクロン株の重症化率が低いらしいという点だ。
米疾病対策センター(CDC)が25日に発表した研究結果では、オミクロン株の症状は重症度が低く、入院日数が短くなって、集中治療室(ICU)の入院者や死者も少なくなることが確認された。
スコットランドでも、オミクロン株による入院リスクはデルタ株に比べて3分の2減少するという調査結果が発表された。南アフリカの論文によれば、入院率は80%低いことが分かった。
正常化への復帰を目指している国は英国にとどまらない。
長期にわたるロックダウン(都市封鎖)を続けていたオランダは26日、サービス業や観光業、レジャー産業をほぼ全面的に再開させた。
オランダ政府は、症例数は依然として高い状態にあり、人と人が交わるようになれば再び増える可能性もあるとしながらも、「政府にはこの大胆な措置を取る責任がある。日常生活をこれほど制限する措置が長引けば、国民の健康や社会全体を害する」と強調した。
過去にパンデミック(世界的大流行)の終わりを宣言したものの、その後規制の再導入を強いられたデンマークも、再び規制を緩和している。陽性者に義務付ける自己隔離期間は4日間に短縮された。この措置について政府は、症例数は増えているものの、入院患者が大幅に減ったことから、パンデミックの初期に比べて負担が少なくなったと説明している。
フランス政府は先週、過去最多の症例数が報告される状況の中で、次週からコロナ規制の緩和に踏み切ると発表した。
米国は現時点で新型コロナが猛威を振るっているが、感染拡大の波は間もなく落ち着くと専門家は予想する。ただ、入院者数は北東部と中西部で減少している一方、西部や南部では今も増加が続いている。