ドア開けようとする乗客、ポットで殴った乗員 機内の混乱状況明らかに
(CNN) 米アメリカン航空の米国内便が機内で暴れた乗客のために行き先を変更した問題で、米司法省は50歳の乗客の男が拘束され、暴行や客室乗務員に対する脅迫、職務妨害の罪に問われていると発表した。
カリフォルニア州ロサンゼルスから首都ワシントンに向かっていた同機は13日、行き先を変更してミズーリ州のカンザスシティー国際航空に着陸した。
調べによると、拘束された男は身長約190センチ、体重約109キロ。「みんなが自分に危害を加えようとしている」などと客室乗務員に訴え、「自分の家族が傷つけられるのが電話ごしに聞こえた」と主張。危害を加えた相手がどんな人物だったのかと尋ねられると、1人は機内で自分の隣に座っていた人物で、もう1人は刃物を持っていたと訴えた。
男はいったん着席した後、操縦室に近寄って、「自分たちは飛んでいない。客室乗務員はうそをついている」と主張。客室乗務員が飲料カートで男を阻止すると、男はプラスチック製の食器をつかみ、ナプキンをはぎ取って、食器を自分のシャツの袖に入れて握った。客室乗務員は、ナイフで脅されたと感じたと証言している。
男はシャンパンのボトルをつかんでカウンターでたたき割ろうとしたり、カートを蹴って客室乗務員の方に押しやったりした末に、機体のドアを開けようとした。
「客室乗務員はコーヒーポットをつかんで(男の)頭を2回殴った」「数人の乗客が客室乗務員を助けに駆け付けた」(司法省)
うち1人は警察官で、男をドアから引き離した。乗客の1人は男のあごを殴り、別の1人が首をつかんで床に組み伏せた。
客室乗務員は、機内で男にアルコールは出さなかったと話している。