米大統領警護隊、昨年1月5日と6日のテキストメッセージを削除 監視機関の要求の後で
(CNN) 米シークレットサービス(大統領警護隊)が昨年1月5日と6日のテキストメッセージを削除していたことが分かった。その直前には6日に起きた連邦議会議事堂襲撃でのシークレットサービスの対応を調査する監視機関が当該のメッセージの提示を要求していた。襲撃を調べている議会下院の特別委員会に寄せられた書簡から明らかになった。
CNNが入手したこの書簡は本来、上下両院の国土安全保障委員会に向けて国土安全保障省(DHS)の監察総監が送付したもの。それによると、当該の日付のテキストメッセージは端末を入れ替えるプログラムの一環としてシステムから削除された。削除は監察総監室(OIG)がシークレットサービスに対し、電子通信に関連する記録を求めた後に行われたという。
書簡の中でDHSのジョセフ・カファリ監察総監は、同省のスタッフがOIGの調査員に向かって記録を直接OIGに提供することは認められていないと再三にわたり告げていたと指摘。そうした記録はまず、DHSの弁護士によって再検討されなくてはならないというのが相手側の主張だったとした。
そのうえで、この再検討のためにOIGによる記録の取得が数週間遅れ、全ての記録が取り出せたのかどうかについても混乱が生じたと、カファリ氏は付け加えた。
同氏の書簡は、米ニュースサイトの「インターセプト」が最初に報じた。
CNNはシークレットサービスとカファリ氏にコメントを求めたが、現時点で返答はない。
下院の国土安全保障委員会と議事堂襲撃調査の特別委員会の両方で委員長を務める民主党のベニー・トンプソン議員は14日の声明で、前者の委員会がカファリ氏からの書簡を受け取ったことを認めた。
そのうえで「同委員会は今後、この極度に問題のある記録の破壊について説明を受け、適切に対処する」と述べた。
書簡はDHSの監視機関がこれらのテキストメッセージについて意図的もしくは不正な理由によって削除されたとみているのかどうか言及していない。それでも削除という行為を受けて、また新たな疑念がシークレットサービスの議事堂襲撃への対応に向けられることとなった。
シークレットサービスへの注目度は、特別委員会の公聴会で証人が関連する証言を行って以降高まっている。具体的には当時のトランプ大統領がホワイトハウス近くの広場での演説を終えた後、隊員に向かって怒りをあらわにしながら議事堂へ連れて行くよう要求したなどの内容だ。暴徒が議事堂の建物に侵入したのはこの直後だった。