トランプ氏「口止め料」裁判、元顧問弁護士への反対尋問続く
(CNN) トランプ前米大統領がポルノ女優への不倫口止め料支払いに伴ってビジネス記録を改ざんしたとして起訴された訴訟で、トランプ氏の元顧問弁護士のマイケル・コーエン氏に対する反対尋問が16日に再開された。
この日、トランプ氏の弁護士を務めるトッド・ブランチ氏は、コーエン氏が2016年10月、ポルノ女優のストーミー・ダニエルズ氏に13万ドルを送金する直前にトランプ氏と電話でやり取りしていたという話をでっち上げたと主張した。
コーエン氏は13日の検察の質問に答え、16年10月24日にトランプ氏と話すため同氏のボディーガードのキース・シラー氏に電話をかけたと証言。ダニエルズ氏の問題とその解決策について話し合う必要があったためと説明していた。
しかしブランチ氏は16日の反対尋問で、その電話の数分前にコーエン氏がシラー氏に送信していたテキストメッセージを読み上げた。それは自分にかかってくるいたずら電話について、シラー氏に相談する内容だった。
ブランチ氏はコーエン氏による直後の電話について、話をした相手はトランプ氏ではなくシラー氏であり、ダニエルズ氏の問題に関して連絡したという証言は虚偽だったと指摘した。
これに対しコーエン氏は、正確な説明ではないと落ち着き払って回答。シラー氏への電話の一部はいたずら電話に関するものだったが、当時はトランプ氏もシラー氏と共におり、それ以上の内容を話した可能性があると主張した。
ブランチ氏はこれを受け、1分36秒の通話時間でいたずら電話の件を話し、ダニエルズ氏の問題の現状についてもトランプ氏に報告できたとコーエン氏は証言していると述べた。
コーエン氏は、電話でのやり取りは膨大な数に上るため全ての状況を記憶してはいないが、重要な通話内容は詳細まで覚えていると主張した。
ブランチ氏はこの他にも、コーエン氏による一貫性を欠いた過去の発言に言及。同氏の信用性に打撃を与えようとした。ただ取り上げた発言の大半は、裁判の争点とはほぼ無関係のものだった。
裁判は16日には開かれず、トランプ氏は三男バロン氏の高校の卒業式に出席できる見込み。コーエン氏への反対尋問は20日に再開し、早ければ21日から最終弁論が始まる可能性もある。