トランプ氏「口止め料」裁判、元顧問弁護士が証言

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検察からの質問に答えるトランプ前大統領の元顧問弁護士のマイケル・コーエン氏/Jane Rosenberg

検察からの質問に答えるトランプ前大統領の元顧問弁護士のマイケル・コーエン氏/Jane Rosenberg

(CNN) トランプ前米大統領がポルノ女優への不倫口止め料支払いに伴ってビジネス記録を改ざんしたとして起訴された訴訟で、トランプ氏の元顧問弁護士のマイケル・コーエン氏が13日、証人として出廷した。コーエン氏は元上司のトランプ氏について、ポルノ女優のストーミー・ダニエルズ氏に対し2016年大統領選挙直前に口止め料を支払う計画に関与していたとの見解を示した。13万ドル(現在のレートで約2000万円)の支払いはトランプ氏の指示によるものであり、払い戻しが約束されていたと述べた。

コーエン氏の証言は、検察側の複数の申し立てをまとめる内容となっている。検察側はトランプ氏が違法にビジネス記録を改ざんしてコーエン氏への払い戻しを行い、口止め料の支払いを隠蔽(いんぺい)したと主張する。コーエン氏はトランプ氏の指示で口止め料を支払ったと証言した。

トランプ氏は無罪を主張しており、ダニエルズ氏との不倫関係も否定している。

約5時間に及ぶ証言の間、コーエン氏とトランプ氏はほとんど視線を合わせなかった。コーエン氏は証言の大半で検事を直視。時々法廷内を見回して陪審員の方を向くなどした。トランプ氏はコーエン氏への長い質問が続く中で目を閉じる、あるいはニュース記事に目を通すなどして時間を過ごした。

コーエン氏はタブロイド紙「ナショナル・エンクワイアラー」を保有するアメリカン・メディア(AMI)のデービッド・ペッカー最高経営責任者(CEO)と協力して、トランプ氏が16年の選挙戦を有利に戦えるよう不都合な記事をもみ消したと証言。当時ダニエルズ氏の弁護士とは口止め料についての交渉を行っており、その内容はトランプ氏にも常に知らせていたと述べた。

その上で、トランプ氏が自身に対し、ダニエルズ氏に支払った口止め料の払い戻しを承認したと明らかにした。17年に行われたこの払い戻しが弁護士費用と偽って計上されることもトランプ氏は認識していたとした。

コーエン氏は電子メールや電話でのやり取りを通じ、この件でここまで証言した証人たちとも連絡を取っていた。その中には前出のペッカー氏やダニエルズ氏の弁護士、トランプ氏の元側近のホープ・ヒックス氏など、口止め料支払いに関与したとされる人物が含まれる。

コーエン氏は口止め料支払いの交渉中にトランプ氏と交わした会話の内容も説明した。検察側はコーエン氏の通話記録を持ち出し、両者のやり取りがいつ行われているかを明示した。

16年大統領選を前にしてのコーエン氏のあらゆる行動は、常にトランプ氏を守ることを念頭に置いていた。両者の関係が最も良好だった時期、コーエン氏はトランプ氏の身代わりに撃たれてもいいと語っていた。

13日の証言ではトランプ氏について、「唯一留意していたのは、任務を果たして彼を喜ばせることだった」と述べた。

また自身をトランプ氏のかつての「黒幕」とする見方は「妥当」だとも指摘。判事に対し、時にはトランプ氏をかばってうそをつくことも辞さなかったと示唆した。

14日はトランプ氏側の弁護士がコーエン氏への質問を行うとみられる。反対尋問を通じ、同氏に対する陪審員の信用性を失わせる戦術に出ることが予想される。

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