冤罪被害の男性、47年経て無罪確定 米テキサス州

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裁判所に出廷するケリー・クックさん(68)=2016年、テキサス州/Sarah A. Miller/Tyler Morning Telegraph/AP

裁判所に出廷するケリー・クックさん(68)=2016年、テキサス州/Sarah A. Miller/Tyler Morning Telegraph/AP

(CNN) 1977年に起きた殺人事件で死刑判決を受けた男性が、米テキサス州刑事控訴裁判所の判決で約47年を経て無罪が確定した。

無罪が確定したのはケリー・クックさん(68)。バート・リチャードソン裁判官は19日の判決の中で、クックさんに有利な証拠が隠蔽(いんぺい)され、1978年の初公判で提出された証拠は後にねつ造だったことが分かったと指摘した。

クックさんは1977年、当時21歳だったリンダ・エドワーズさんが殺害された事件で罪に問われ、有罪判決を言い渡された。

クックさんは当時エドワーズさんと同じ集合住宅に住んでおり、エドワーズさんの自宅の引き戸に付着していた指紋がクックさんのものと一致した。

しかしこの指紋が新しいものだったとする主張は、科学分析や専門家の証言で覆された。

クックさんは1979年の一審で死刑を言い渡されたが、控訴審では有罪判決が覆され、92年に行われたやり直し裁判は陪審員全員の意見が一致しなかったため審理が無効となった。94年の3度目の裁判では再び有罪とされて死刑を宣告。しかし96年に州刑事控訴裁判所は、警察と検察に不正があったとして有罪評決を取り消した。

一審判決で有罪の決め手となったのは、「クックさんがエドワードさんを殺害したと打ち明けた」とする受刑者の証言だった、しかしこの受刑者はその後、自分の減刑と引き換えにうそをついたと認めて証言を撤回した。

99年に行われた4度目の裁判を前に、クックさんは司法取引に応じて罪を認め、禁錮20年を言い渡された。クックさんはそれまでの拘置期間が加算されて釈放されたが、この時点で有罪は変わらず、今回の判決でようやく正式に無罪が確定した。

米国で死刑を言い渡された冤罪(えんざい)の被害者は、73年以来、クックさんを含めて少なくとも199人に上る。

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