熱帯暴風雨「デビー」、米南部に再上陸
(CNN) 米国立ハリケーンセンター(NHC)によると、熱帯暴風雨「デビー」は8日未明までに、最大風速約22メートルの勢力をともなって米南部サウスカロライナ州に再上陸し、時速約8キロでゆっくりと内陸方面へ北上している。
デビーはメキシコ湾でハリケーンに発達し、5日にフロリダ州に上陸していた。その後、勢力を弱めて熱帯暴風雨に戻ったが、今週末まで引き続き進路に大雨や竜巻をもたらし、洪水を引き起こす恐れがある。
今後はスピードを上げながら進み、8日夜までにノースカロライナ州、9日朝までにバージニア州北部に到達。さらに加速して9日夜にはペンシルベニア州、10日朝には北東部の各州を通過する見通しだ。
ノースカロライナ州のクーパー知事は7日、住民らに大雨と洪水への警戒を呼び掛けた。同州東部には8日午前8時まで竜巻注意報が出ている。総雨量は同州で約380ミリ、サウスカロライナ州では約640ミリに達するとみられ、沿岸部は最大約90センチの高潮に見舞われる恐れがある。
バイデン米大統領は、今週デビーの被害を受けたフロリダ、ジョージア、サウスカロライナ、ノースカロライナ各州を対象とする災害宣言の発令を承認した。
ジョージア州ではダムが決壊の危機に陥っている。
サウスカロライナ州の民家では、7日の大雨で庭が冠水し、翌朝ワニが8匹も泳いでいるのが見つかった。
大雨により冠水した庭で泳ぐワニ/Adrienne LeBlanc
連邦緊急事態管理庁(FEMA)の要員700人以上が南東部一帯に出動し、捜索救助チームも待機している。
デビー通過後の被災地では、体感温度が43度を超えるほどの暑さが続く見通し。最初に上陸したフロリダ州では、8日の体感温度が45度に達すると予想される。