ステーション滞在長引く2人の宇宙飛行士、いまだ帰還見通せず
(CNN) 米航空宇宙局(NASA)のベテラン宇宙飛行士2人がボーイングの宇宙船「スターライナー」で国際宇宙ステーションに到着してから63日が経過した。当初の予定を7週間以上過ぎた今も、地球へ帰還する見通しは立っていない。
NASAは7日の記者会見で、ボーイングと競合するスペースXの宇宙船「クルードラゴン」で2人を帰還させる可能性が高まったことを明らかにした。その場合、2人の宇宙ステーション滞在はさらに半年間長引き、帰還は2025年にずれ込むことになる。
宇宙ステーション滞在が長引いているのはブッチ・ウィルモアとスニ・ウィリアムズの両宇宙飛行士。これまでNASAは再三、2人はスターライナーで帰還する可能性が大きいとの見方を示し、スペースXのクルードラゴンについては予備的なシナリオとして可能性に言及していたにすぎなかった。
しかし7日の記者会見では、クルードラゴンを使う可能性が急速に高まっていることを示唆。「スターライナーは無人のまま帰還させる可能性が少々高くなった」と説明した。最終的な決断は8月半ばごろまでに行う方針。
もしもスターライナー搭乗が危険と判断してクルードラゴンで2人を帰還させる場合、今後打ち上げ予定の「クルー9」ミッションに搭乗する宇宙飛行士を、当初予定していた4人から2人に減らし、空いた2席にウィルモアさんとウィリアムズさんを乗せて帰還する計画。しかしその場合、2人の帰還は早くても2025年2月になる。
NASAは6日、クルー9の打ち上げを、当初予定の今月18日から9月24日以降に延期すると発表した。