米NASA、クルードラゴンの打ち上げ延期 スターライナー帰還との調整で
(CNN) 米航空宇宙局(NASA)は6日、国際宇宙ステーション(ISS)の新クルー4人を乗せて18日に出発する予定だった米スペースX社の有人宇宙船「クルードラゴン」の打ち上げを、来月24日以降に延期すると発表した。
ISSには現在、米ボーイング社の新型有人宇宙船「スターライナー」がドッキングしている。スターライナーは不具合が相次ぎ、予定を約7週間超えてISSにとどまっている。
NASAは、スペースXの打ち上げ延期により、スターライナーとそのクルー2人の帰還計画を最終決定する時間の余裕ができると説明した。
スターライナーは本格的な運航前の有人飛行試験として6月に打ち上げられたが、ISSに到達するまでにエンジンのうち5基が突然停止し、ヘリウム漏れが見つかるなどのトラブルが続発した。
NASAはスターライナーでクルー2人を安全に帰還させることができるかどうかを検討してきたとみられ、今月初めに飛行準備点検を行うとの見通しを示していた。
ボーイングは先月25日、厳密な試験を重ねた結果、問題の根本原因が絞られたと主張。2日の声明では、スターライナーでの安全な帰還は可能だと自信を示した。
だがNASAがCNNに確認したところによると、現時点で帰還予定日が定まらないため、点検は始まっていない。
もともとの計画には、スターライナーに緊急事態が起きた場合、クルーをスペースXで帰還させるとの対応策も含まれていた。だがNASAは一貫して、この対応が「望ましいシナリオではない」との立場を示してきた。
飛行士帰還の方法や時期については、NASAのネルソン長官が最終的な決断を下すことになる。