宇宙に浮かぶ「ペンギン」と「卵」、ウェッブ望遠鏡が捉えた新画像公開

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ウェッブ望遠鏡が捉えた二つの銀河。それぞれ「ペンギン」、「卵」と呼ばれている/NASA/ESA/CSA/M. Marin (STScI) via CNN Newsource

ウェッブ望遠鏡が捉えた二つの銀河。それぞれ「ペンギン」、「卵」と呼ばれている/NASA/ESA/CSA/M. Marin (STScI) via CNN Newsource

(CNN) 米航空宇宙局(NASA)のジェームズ・ウェッブ望遠鏡がこのほど、「ペンギン」と「卵」と名付けられた二つの銀河の新たな画像を捉えた。画像はウェッブ望遠鏡の運用開始から2年を記念して公開された。

2021年12月25日に打ち上げられたウェッブ望遠鏡は22年7月12日、最初の科学観測の成果を公開した。以来、肉眼では見えない赤外線の様々な波長を駆使して、これまでにない視点で宇宙を捉えた画像を提供している。

ウェッブ望遠鏡は他の望遠鏡の視界を遮るガスや塵(ちり)を透視して遠方の銀河を見つけ、系外惑星の大気内の分子を検出したり、恒星爆発の詳しい様子を浮き彫りにしたりすることが可能だ。

NASAのネルソン長官は声明で、「宇宙の隅から届いた時の始原付近にさかのぼる驚くべき画像により、ウェッブ望遠鏡の能力は我々の周囲の天体に新たな光を当て、将来世代の科学者や天文学者、探検家に勇気を与えている」と述べた。

ペンギンと卵の形をした銀河はまとめて「Arp142」と呼ばれる。今回、ウェッブ望遠鏡は近赤外線と中間赤外線の観測結果を組み合わせることで、絡まり合う両銀河の詳細な画像を生成した。卵を守るペンギンに似ていることから命名された二つの銀河はウミヘビ座の方向、地球から3億2600万光年離れた場所に位置する。

ウェッブの近赤外線カメラと中間赤外線計器は恒星とガスの入り交じった青いかすみを捉えており、二つの銀河がどのように連結されているかが分かる。両銀河を隔てる距離は約10万光年と、天文学的に言えば近い。例えば、天の川銀河に最も近いアンドロメダ銀河までの距離は250万光年で、この二つの銀河は約40億年後に衝突するとみられている。

天文学者の推定によれば、ペンギン銀河と卵銀河の相互作用が始まったのは7500万年~2500万年前。数百万年後には合体して単一の銀河になる見通しだ。

ハッブル宇宙望遠鏡は13年に可視光で両銀河を撮影したが、ウェッブ望遠鏡の画像は赤外線を通じて従来確認できなかった細部を捉えている。

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