太古の宇宙の海洋世界、小惑星ベンヌの標本が解き明かした驚きの可能性

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小惑星ベンヌの試料、スミソニアン博物館でお披露目

(CNN) 米航空宇宙局(NASA)の探査機が小惑星「ベンヌ」で採集した試料の分析で、ベンヌに水が豊富だった予想外の過去がある可能性や、太古の海洋世界から分離した可能性があることが分かった。

探査機「オシリス・レックス」は2020年にベンヌで121.6グラムの標本を採集し、23年9月に地球に帰還した。以来、研究者はベンヌの構造や地球に生命の要素をもたらした可能性を探るため、岩石や粉塵(ふんじん)の分析を続けている。研究者が注目するのは、太陽系が形成される過程で残った天体が小惑星だったという理由もある。

昨年10月には標本分析の最初の結果が発表され、ベンヌが大量の炭素を含有していることが分かった。

今回、ベンヌの標本の新たな分析で、いずれも太陽系の形成にかかわる炭素、窒素、有機化合物が豊富に含まれていることが判明。これは生命の誕生にとっても不可欠な成分で、地球のような惑星の進化の解明に役立つ可能性がある。

この研究結果は26日の隕石(いんせき)・惑星科学誌に発表された。

「オシリス・レックスは、かつて水が豊富だった世界の窒素と炭素を豊富に含む、原始の小惑星の大型標本をもたらしてくれた。まさにまさに我々の期待通りだ」。NASAの研究者ジェイソン・ドワーキン氏はそうコメントしている。

生命の要素

最大の驚きは、探査機がベンヌの軌道上にある時には検出されていなかったリン酸マグネシウム・ナトリウムが、標本から見つかったことだった。

リン酸マグネシウム・ナトリウムは水に溶ける化合物で、生命が活動するために欠かせない成分でもある。

研究者によると、ベンヌは太陽系にかつて存在していた小さく原始的な海洋世界から分離してできた可能性がある。

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