中国ロケットの断片か 集落近くに落下、逃げ惑う住民 上空で猛毒の煙噴出

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ロケットの残骸と疑われる物体が落下する様子/From Weibo via CNN Newsource

ロケットの残骸と疑われる物体が落下する様子/From Weibo via CNN Newsource

香港(CNN) 中国南西部貴州省で22日、ロケットの断片と思われる物体が集落の上空で黄色い煙を噴出しながら地面に落下した。SNSに投稿された映像では、空を見上げながら住民が逃げ惑っている。CNNは現地の目撃者から映像の提供を受けた。

中国はこの直前の現地時間22日午後3時に、「長征2C」ロケットを隣接する四川省の西昌衛星発射センターから打ち上げていた。同ロケットは中国とフランスが共同開発した人工衛星の軌道に投入された。

長征2Cを開発した中国航天科技集団(CASC)は、22日の打ち上げを「完璧な成功」と位置付けている。

中国の動画投稿サイト「快手」に投稿された動画には、長い円筒形の物体が黄色い煙を吹き出しながら集落の上空を突き抜けて近くの山林に落下する様子が映っている。

CNNはこの映像の位置情報を調べ、発射場のある四川省に隣接する貴州省の村で撮影されていたことを突き止めた。映像は貴州省のIPアドレスから投稿されていた。

中国のSNSに投稿された動画をCNNが分析した結果、落下する断片が複数の角度から撮影されていた。子どもを含む村の住民が、上空から落下するオレンジ色の物体を振り返りながら逃げている映像もあった。中には落下の衝撃に備えて耳を手で覆う住民もいる。

そうした動画の一部は24日午後までに削除された。

断片が地面に落下すると大きな爆発音が聞こえたという証言もSNSに書き込まれている。CNNの取材に応じた目撃者は、ロケットの落下を「自分の目で」見たと証言。「強い刺激臭があって爆発音が聞こえた」と話している。

打ち上げ直後に地元住民が投稿した政府の通知では、現地時間の22日午後2時45分から3時15分の間に「ロケットの残骸回収作業」を行うと予告していた。この通知はその後削除された。

通知では住民に対し、打ち上げの1時間前に屋外に出て開けた場所に散らばり、空を観察するよう指示していた。「有毒ガスと爆発」の被害を防ぐため、破片に近寄ってはいけないとも警告していた。

さらに、破片の写真撮影や関連動画をネットで拡散することは「厳禁」とされた。

地元当局から負傷者の報告はなかった。

ストックホルム国際平和研究所の専門家によると、動画に映っている断片は長征2Cロケットの第1段ブースターと思われる。同ロケットは四酸化二窒素と非対称ジメチルヒドラジン(UDMH)を混合した液体推進剤を使っている。

「この組み合わせは常にオレンジ色の煙を残す。これは猛毒で発がん性がある」「その物質を生きている者が吸い込めば、近い将来苦しむことになる」と専門家は解説し、中国では発射場の場所が原因で、そうした事態が頻繁に発生していると指摘した。

過去にはロケットの破片が集落に落下したこともある。国営通信によると、2023年12月、湖南省で打ち上げられたロケットの破片によって住宅2棟が損壊した。02年には衛星打ち上げの破片が陝西省の集落に落下して、住民の男の子が負傷していた。

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