太陽系に近い惑星系で巨大小惑星衝突か、ウェッブ宇宙望遠鏡が示唆

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がか座ベータ星系の中心星周辺で小惑星同士が衝突する様子を描いた想像図/NASA/FUSE/Lynette Cook

がか座ベータ星系の中心星周辺で小惑星同士が衝突する様子を描いた想像図/NASA/FUSE/Lynette Cook

(CNN) 太陽系に近い惑星系「がか座ベータ星系」で近年、巨大な小惑星同士の衝突が起きていた可能性が高い――。スピッツァー宇宙望遠鏡とジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡という二つの異なる観測機の調査結果を基に、研究者がそんな見解を明らかにした。

がか座ベータ星系は地球から63光年の距離に位置し、その距離の近さと新しさから長年、天文学者を魅了してきた。

米ジョンズホプキンス大学の天文学者、クリスティーヌ・チェン氏によると、太陽系の年齢は約45億年と推定されているが、がか座ベータ星系は誕生から2000万年の若い惑星系だという。チェン氏はがか座ベータ星系を複数回観測した経験を持つ。

チェン氏はウィスコンシン州マディソンで10日に開催された米天文学会第244回会合で、がか座ベータ星系の新しさに触れ、「これは惑星系がまだ形成中であることを意味する」「一部が形成された惑星系だが、まだ完成していない」との見方を示した。

がか座ベータ星系には「がか座ベータ星b」と「がか座ベータ星c」という二つの巨大ガス惑星が存在することが確認されている。チェン氏は2004年と05年、既に引退したスピッツァー望遠鏡を使ってがか座ベータ星系を観測。当時、チェン氏と同僚はこの惑星系内に浮かぶ様々な塵(ちり)を確認した。

そして23年、チェン氏はウェッブ望遠鏡を使ってがか座ベータ星系を再観測した。

ウェッブ望遠鏡での赤外線観測が22年に始まって以降、科学者らはガスや塵を透視して超新星や太陽系外惑星、遠方の銀河系を調べる目的で、同望遠鏡を活用している。

スピッツァー望遠鏡とウェッブ望遠鏡の観測内容を比較した結果、20年前に取得したデータはかなり幸運な時期のものだったことが判明。その後、主な二つの塵雲は姿を消していた。

チェン氏は両望遠鏡の観測結果を比較した論文の筆頭著者で、この論文は17日に学会で発表された。

論文の共著者を務めたジョンズホプキンス大学の元博士候補生、シセロ・リュー氏は「ジェームズ・ウェッブ望遠鏡による発見の大半は、望遠鏡で直接探知したものだった」と説明。「今回の場合、話が少し違う。我々の研究結果はウェッブ望遠鏡が観測しなかったことを基にしているからだ」と指摘した。

スピッツァー望遠鏡のデータからは、同望遠鏡による観測の少し前に巨大小惑星同士が衝突したことがうかがえるという。

「がか座ベータ星系では、地球型惑星帯での巨大小惑星の衝突を通じた惑星形成がまだ続いている。従って、我々が目にしているのは基本的に、岩石惑星などの天体がリアルタイムで形成される過程なのだろう」(チェン氏)

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