米ボーイング、有人宇宙船打ち上げ成功 民間2社目
(CNN) 米航空宇宙大手ボーイングの宇宙船「スターライナー」が5日、米フロリダ州のケープカナベラル宇宙軍基地から打ち上げられた。宇宙飛行士2人を乗せた同宇宙船は無事地球を周回する軌道に入り、6日に国際宇宙ステーション(ISS)に到着する見込み。成功すれば、米国はISSへの人員輸送手段を2種類確保することになる。
スターライナーは米東部時間5日午前10時52分ごろ(日本時間5日午後11時52分ごろ)、ユナイテッド・ローンチ・アライアンス(ULA)の「アトラスV」ロケットで打ち上げられた。米国製の有人宇宙船としては六つ目で、開発した民間企業はスペースXに続いて2社目。
スターライナーには米航空宇宙局(NASA)の宇宙飛行士2人が搭乗した。定期的な運用に向けて、装備の性能やマニュアル操縦機能の確認、ISSへのドッキングの検証などを行う。
飛行士2人は8日間ISSに滞在し、14日にもスターライナーで地球に帰還する見込み。帰着場所は米南西部が予定されている。
スターライナーは先月6日に打ち上げ予定だったが、直前にロケットのエンジンバルブに問題が見つかったとして延期された。仕切り直しとなった今月1日の打ち上げも、発射台のコンピューターシステムの不具合で再び延期となった。
NASAのネルソン長官は「米国製のロケットで初めて人類を軌道に乗せたとき、使用されたのはアトラスVだった」と指摘した上で「いま、アトラスVで宇宙飛行士がISSに向かっている」と述べ、長年の取り組みを経て大きな成果であることを強調した。
スターライナーは、NASAがISSへの人員輸送を民間に委託する計画の一環として、ボーイングが開発を進めてきた。