中国の無人探査機「嫦娥6号」が帰還 月の裏側で試料採取
香港(CNN) 月の裏側に着陸して試料を採取した中国の無人月探査機「嫦娥(じょうが)6号」が、25日に帰還した。月の裏側から試料を持ち帰った例は世界で初めて。
中国の国営中央テレビ(CCTV)によると、嫦娥6号は内モンゴル自治区の指定圏内に、現地時間の同日午後2時すぎ、無事に着陸した。CCTVは実況配信で、帰還機がパラシュートで着地し、管制室で拍手が起きる場面を伝えた。
中国国家航天局(CNSA)の張克倹局長は、管制室からミッション成功を宣言した。
CCTVによると、着陸の数分後に捜索チームが機体を発見した。実況映像では機体の点検作業が映し出された。
習近平(シーチンピン)国家主席が中国の「永遠の夢」と位置付ける「宇宙強国建設」に向けた大きな節目となる。習氏は25日、X(旧ツイッター)への投稿で「歴史的な成果」とたたえた。
「嫦娥6号」が中国国旗を掲げる様子/Chang'e 6 lunar rover/Weibo
嫦娥6号は先月3日に打ち上げられ、月の裏側から土や石の試料を最大2キロ持ち帰ることを目指していた。
試料を分析した結果は月や地球、太陽系の進化を解明する研究のほか、中国が目指す月の資源活用にも役立つことが期待される。
中国は今後、2026年に「嫦娥7号」、28年に「嫦娥8号」を打ち上げる計画だ。30年までに有人月面探査を成功させ、水氷の存在が指摘される南極付近に研究基地を建設するとの目標を掲げている。