米国に留学するインド人、中国人抜いて最多に
香港(CNN) 中国人留学生は過去10年以上にわたり、海外留学という特権意識やアメリカンドリームの魅力に押されて米国に押し寄せた。親は子どもを海外に送り出すため、塾や家庭教師に多額の出費を惜しまなかった。
しかし米国務省と非営利の国際教育機関が18日に発表した統計によると、米国の高等教育機関に在籍する留学生は昨年度、インド人が2009年以来初めて中国人を抜き、最多となった。
留学生全体に占める割合は中国人が約25%、インド人は29%だった。
専門家によると、中国人留学生の減少は、政策の変化や国民の意識の変化を反映している。中国人留学生や家族の多くが、米国の治安や人種主義、差別に対して不安を感じているという。
一方、インドの人口は昨年、中国を抜いて世界最多となった。しかもインドは25歳未満が人口の40%以上を占める。これに対して中国は人口が減少に転じ、高齢化も進む。国務省によると、昨年度のインド人留学生は33万1600人を超えた。
香港大学の研究者マリー・プライサーチ氏によると、米国に留学する中国人だけでなく、中国に留学する米国人も減少している。同氏はコロナ禍の北京で大学生を対象に、米国観に関する聞き取り調査を行った。
同氏によると、中国ではかつて、親や教師から「米国へ留学しろ。滞在だってできるかもしれない。いい仕事に就いていい人生を送れる」と言われた学生が多かった。ところがドナルド・トランプ氏が初めて大統領になり、コロナ禍が襲う中で、人種差別やアジア系を狙ったヘイトクライム(憎悪犯罪)が横行し、「アメリカンドリームに対する幻滅」が広がったと同氏は話している。