飼い猫を捜して陥没穴に転落か、60代女性の死亡を確認 米東部
(CNN) 米東部ペンシルベニア州南西部の町で、飼っている猫を捜しに行って行方不明になった女性(64)が、長年放置された炭鉱の中で遺体で発見された。現場には炭鉱に関連して最近出来た深い陥没穴があり、女性はこの穴へ落ちたとみられる。州警察が6日に明らかにした。
州警察の報道官によると、エリザベス・ポラードさんは同日午前11時過ぎ、炭鉱の中での死亡が確認された。6日正午過ぎの時点で、遺体の回収作業が続けられている。
ポラードさんの家族には既に連絡が届いている。
遺体は、ポラードさんが陥没穴を通じて落ち込んだとみられる場所からそう離れていない地点で見つかった。地元当局者が会見で述べたところによると、遺体を回収するに当たっては重機を使って現場の土を取り除く必要があるという。
ポラードさんの捜索は3日未明から始まっていた。これに先駆け家族から、ポラードさんと5歳の孫娘との連絡が途絶えているとの通報があった。2人は2日午後に猫を捜しに行ったきり姿が見えなくなっていた。
警察は町の飲食店の近くで女性の車を発見。中には女性の孫にあたる女児が乗っていた。車から数歩の場所には最近出来たとみられる深い陥没穴があった。
当局はポラードさんが穴に落ちたとみて、すぐに救出作業を開始。長年放置されていた炭鉱の残骸を除去するため、ポンプで地下に水を送るなどの措置を講じた。現場の捜索をしやすくするための作業だったが、4日夜までに州警察はポラードさんが生存している見込みはないとの見解を表明。カメラや音声検出装置を用いても、人が生きている兆候は確認されなかったと明らかにした。
また炭鉱内の状況から、従来の技術を使用し続けるのは救出作業員にとって危険が大きすぎるとの認識も示した。
連邦政府のデータベースによれば、当該の陥没穴の近くには使われなくなった炭鉱が二つあり、いずれも土地の安全性や環境への懸念から「市民生活にとって最大級の危険」をもたらしている。
州警察の報道官はポラードさんが見つかった炭鉱の規模について、「この町の地下にもう一つ小さな町があるようなもの」と形容した。
同報道官によれば、州炭鉱局から派遣された技術者が間もなく長期にわたる炭鉱の埋め戻し作業を開始し、将来の事故再発の防止に当たるという。
陥没穴は通常、地下水により土壌を支える地下の岩盤がゆっくりと侵食されることで出現する。米地質調査所(USGS)によると、ペンシルベニア州は石灰岩基盤を有することから陥没穴が特に生じやすい自然環境となっている。