米下院共和党、議事堂襲撃事件の調査でチェイニー氏への捜査勧告 トランプ氏の意向に沿う形

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リズ・チェイニー元下院議員=2022年6月28日、米ワシントンDC/Anna Moneymaker/Getty Images

リズ・チェイニー元下院議員=2022年6月28日、米ワシントンDC/Anna Moneymaker/Getty Images

(CNN) 米共和党の下院議員らが同党のリズ・チェイニー元下院議員への正式捜査を勧告する報告書を提出したことが分かった。2021年1月6日に発生した連邦議会議事堂襲撃事件の調査に絡み、連邦捜査局(FRB)がチェイニー氏を訴追すべきとしている。トランプ氏はかねて自身の政敵を訴追する意向を示してきたが、その実現に道を開く形だ。

トランプ氏は以前、チェイニー氏は刑務所に入るべきだと発言。ソーシャルメディアへの投稿で、チェイニー氏の軍事法廷の模様をテレビ放送するよう要求したことさえあった。

18日午前には自身のSNS「トゥルース・ソーシャル」でチェイニー氏について「大変な問題に巻き込まれるかもしれない」と投稿。共和党のバリー・ラウダーミルク下院議員が公表した前出の報告書が念頭にあるとみられる。

報告書の中でラウダーミルク氏はチェイニー氏を名指しし、同氏がトランプ前政権時に大統領首席補佐官を務めたマーク・メドウズ氏の元部下、キャシディ・ハッチンソン氏と共謀したと主張した。下院の特別委員会が議事堂襲撃事件を調査した際、ハッチンソン氏の証言は極めて重要な内容を含んでいた。

「この小委員会が入手した証拠に基づくなら、数多くの連邦法が当時の特別委員会の副委員長だったリズ・チェイニー氏によって破られた公算が大きい。これらの違反はFBIが捜査するべきだ」。報告書はそう明言している。

トランプ氏は今月初めのNBCとのインタビューで、自身の関係者に指示を与えて政敵を訴追させるつもりはないと語っていたが、恐らくそうするまでもないのだろう。同氏の最側近たちは本人の主張を繰り返し、司法制度が武器化されているとの見方や報復に向けた独自の計画があるといった内容を口にしている。

トランプ氏が司法長官に指名したパム・ボンディ氏は昨年8月、テレビ番組に出演し「検察官が起訴される立場になるだろう」「捜査官が捜査される立場になるだろう」と発言した。

FBI長官に指名されたカッシュ・パテル氏も、俗に言う「ディープステート(影の政府)」を撲滅し、トランプ氏を守る方針を明らかにしている。

前出の特別委員会と議事堂襲撃時の安全対応を巡っては、共和党の主導で広範な調査が行われている。これはトランプ氏の意向に沿う形で事件の様相を書き換えるための全党的な取り組みに起因する動きだ。保守派を攻撃する武器と化しているとされる種々の法執行機関に対し、共和党が根深い不信感を抱く状況も背景にある。

ラウダーミルク氏は報告書の中で、「該当する者が責任を取り、制度を改革するまで、信頼は完全には回復されないだろう」と述べた。

チェイニー氏は17日の声明で、ラウダーミルク氏の報告書を非難。報告書の主張は実際の証拠の検証を反映しておらず、悪意のある卑劣な手段で事実を攻撃していると断じた。その上でまともな弁護士、議員、判事であれば相手にはしない内容だと続けた。

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