「コカインの女王」、銃撃され死亡 コロンビア
(CNN) コロンビアで「コカインの女王」と呼ばれた69歳の女が、同国北西部の都市メデリンで銃で撃たれて死亡した。地元警察が4日に明らかにした。
死亡したのは、1970年代から80年代にかけてコカイン密輸で暗躍したとされるグリセルダ・ブランコ元受刑者(69)。至近距離から2発の銃弾を浴びたという。
3日午後にバイクのエンジン音と2発の銃声が聞こえたとの情報があり、警察が駆けつけたところ、血まみれで倒れているブランコ元受刑者を発見した。地元メディアは、同元受刑者が義理の娘とともに精肉店を出たところを銃撃されたと伝えている。義理の娘にけがはなかった。
ブランコ元受刑者は「ゴッドマザー」「マフィアの母」とも呼ばれ、コロンビアから米国への大量のコカイン密輸にかかわったとされる。また、数え切れないほどの殺人事件の首謀者だったとも言われ、同国の麻薬王と呼ばれた故パブロ・エスコバルとの関係も指摘されていた。
75年にはコカイン製造や密輸などの罪に問われて米フロリダ州マイアミで訴追され、その後10年間は偽名を使ってコロンビアに潜伏していたが、85年に米カリフォルニア州で逮捕され、禁錮6年の実刑判決を言い渡された。
さらに1994年にはマイアミ周辺で3人の殺害を指示した罪に問われた。地元警察は当時、同元受刑者がマイアミ周辺で少なくとも40件の殺人に関与した疑いがあると話していた。
2004年には出所して、コロンビアに送還されていた。地元テレビによれば、ブランコ元受刑者には子どもが4人いて、うち1人は麻薬密輸の罪に問われて米国で服役中、2人は殺害され、残る1人はコロンビアに住んでいるという。