地方警官の訓練を一時中断、治安要員による襲撃増加で アフガン
カブール(CNN) アフガニスタンに駐留する北大西洋条約機構(NATO)主導の国際治安支援部隊(ISAF)によると、米特殊部隊による同国地方警官の訓練が一時中断されることになった。ISAF要員がアフガン治安要員に攻撃されるケースが増えていることを受け、現職警官らの身元を再調査するためだ。
地方警察の訓練生約1000人の養成を中断し、現職警官約1万6000人の身元を確認する。その間も現職の任務は継続する。ISAFの報道官は「アフガン側を全面的に信頼しているが、これは必要な措置と判断した」と述べた。アフガン特殊部隊の隊員らについては、すでに確認作業が完了しているという。
同国では、2014年までのISAF撤退を前に、ISAF要員が標的となる事件が相次いでいる。今年に入ってすでに40人以上が、アフガン治安要員または兵士や警官を装った武装勢力に殺害された。ISAFのアレン司令官によれば、こうした攻撃のうち25%は部隊に潜入した反政府勢力タリバーンのメンバーが実行しているとみられる。
アフガンのカルザイ大統領は、この問題に厳しく対処するとの声明を出した。ISAFのブラッドショー副司令官によると、休暇から任務に復帰する兵士との面談や不審な活動に関する内部通報体制の改善、潜入活動防止要員の訓練向上など、すでにいくつかの対策が実施されている。
訓練中断の期間や対象範囲、撤退計画への影響などの詳細は不明だが、米紙ワシントンポストは匿名の情報筋の話として、身元確認作業には最大2カ月かかるとの見通しを伝えた。