カナダでレジオネラ症感染者が続出 165人感染、10人死亡
(CNN) カナダのケベック州ケベックでレジオネラ症の感染が広まり、1日までに165人が発症、うち10人が死亡した。地元当局が明らかにした。
カナダ衛生当局は、感染者が通っていた場所などについて調査を進めているが、正確な感染源はまだ特定できていない。詳しい調査結果が出るのは9月中旬になる見通しだという。
CNN系列局は、当局がケベックにある大型ビル2棟の冷房システムを重点的に調べていると報じた。政府はレジオネラ症の原因となるレジオネラ菌の繁殖を抑えるため、ビルの所有者や管理者に対して水中の塩素濃度管理を義務付ける通達を出した。
衛生当局は、健康な人にとってのリスクは低く、ケベックの住民が日常生活を変える必要はないと指摘する一方で、症状がある人は医師の診察を受けてほしいと呼びかけている。
レジオネラ症は、レジオネラ菌に汚染された霧や蒸気などを吸い込むことによって感染する。人から人へ伝染することはないという。感染後2~14日で頭痛、高熱、寒気などを訴え、その後2~3日で肺炎のようなせきや胸の痛み、呼吸困難の症状が出ることが多い。米疾病対策センター(CDC)によれば、発症者の5~30%が死亡する。
米国でも先にシカゴのホテルを訪れた宿泊客など10人の感染が確認され、3人が死亡する事件が発生。同ホテルは31日に、感染元とみられるロビーの噴水撤去と高級スパ施設の一部閉鎖を発表している。