イスラム系住民が仏教寺院を襲撃、コーランの焼けた写真に反発か バングラデシュ
(CNN) バングラデシュ南部沿岸の観光地コックスバザールで9月30日、交流サイトのフェイスブックにイスラム教の聖典コーランの焼け焦げた写真が掲載されたことにイスラム系住民が反発して仏教寺院や住宅を襲撃、多数の建物が焼失したり損壊したりする被害が出た。
警察によると、問題の写真は仏教徒の少年のフェイスブックのページに掲載された。しかしこの少年が投稿したわけではなく、何者かが少年の名を登録しただけにすぎないという。少年のページは既に削除された。
寺院襲撃はコックスバザールのラム地区で30日に始まり、同日夜にかけて周辺地域に広がった。ラムでは少なくとも7寺院が放火されるなどして焼失し、周辺地域でも5寺院が損壊。住宅は少なくとも50棟が損壊した。負傷者の数は公表されていない。
現地には軍や警察が出動し、騒ぎは既に収束しているという。
この日現地を視察した同国内相は、焼失した寺院や住宅から見つかった火薬や石油を根拠として、野党バングラデシュ民族主義党が画策した計画的な犯行だったとの見方を示した。政府は調査委員会を設置し、10日以内に報告をまとめる方針。
バングラデシュは人口の約90%をイスラム教徒が占め、仏教徒は1%に満たない。