ミャンマーで民族衝突再燃 3人死亡、モスクなど4百棟焼失
(CNN) ミャンマー西部のラカイン州で民族衝突が再燃し、3人が死亡、民家や寺院、モスク(イスラム教礼拝所)など400棟以上が焼失した。当局が24日までに明らかにした。
州司法当局によると、衝突は21日夜から始まり、州内の4地域に広がった。同州では5月から6月にかけても多数派の仏教徒の住民とイスラム教の少数民族ロヒンギャ族の住民との間で衝突が発生し、緊張が高まっていた。
ロヒンギャ族は、同国の軍事政権下で長年にわたって抑圧されてきたと訴えており、民主化を目指すテインセイン政権の少数民族に対する対応が試されている。
当局は、今回の衝突を受けて2地域に非常事態を宣言。州首相は、治安当局者が現地に出向く際は、医療チームが同行するよう指示した。
5月に起きた衝突は、仏教徒の女性の強姦致死事件に関連して警察がイスラム教徒の男性3人を拘束したことが発端だった。拘束された3人のうち2人は死刑を言い渡され、残る1人は拘束中に死亡した。この事件がきっかけとなって6月下旬にラカイン州で数百人がバスを襲撃し、乗っていたイスラム教徒10人が死亡。暴動は州北部にも飛び火し、民家など数千棟が破壊され、数十人が死亡している。
ロヒンギャ族の住民は数百人が国境を越えて隣国バングラデシュに避難しようとしたが、バングラデシュは既にロヒンギャ族の難民推定30万人を受け入れているとして、新たな難民の流入を拒んでいる。