キューバのカストロ前議長、自身の死亡説にコメント
キューバ・ハバナ(CNN) キューバのフィデル・カストロ前国家評議会議長(86)の健康状態をめぐる憶測が飛び交ったことを受け、国営ニュースサイトのキューバディベートは22日、カストロ前議長の署名入りの声明と数枚の写真を掲載した。
写真には、カストロ氏が杖をついて歩いたり、国営紙グランマを読んだりする姿が写っている。声明では「頭痛がどんなものだったかさえ覚えていない」と健康ぶりをアピールし、健康状態をめぐる憶測を広めた人間が「うそつき」だったことは、写真が示す通りだと強調した。
カストロ氏の声明ではさらに、メディアによる過去の虚報の実例として、1960年代に起きたピッグス湾事件やキューバ危機に関する報道を挙げ、こうしたメディアは「ほとんどすべてが特権層や富裕層の手中にある」と主張。特に、スペイン語新聞のABCがベネズエラの医師の話として、カストロ氏が脳卒中を起こして死に瀕していると報じたことをやり玉に挙げた。
カストロ氏は3月に同国を訪問したローマ法王ベネディクト16世と会ったのを最後に、公の場に姿を見せていない。新聞に頻繁に寄稿していたコラムや随想も6月で突然途絶えたことから、重体説や死亡説が飛び交っていた。
22日の声明では、新聞への寄稿をやめたことについて、自分はもはや「新聞のページを割く役割」にはないと判断したためだと説明している。
これに先立ちベネズエラのハウア前副大統領も、カストロ前議長と20日に会ったと述べ、前議長は「非常に元気」だったと発表していた。