韓国で女性大統領誕生、しかし男性優位の状況は変わらず?
第3には、朴氏の政界での躍進は、男女平等の実現を重視しない保守派や左派政党が女性指導者を輩出しているという他の国々での皮肉な例(英国のサッチャー元首相やインドネシアのメガワティ元大統領など)と同様のケースであるという点だ。
朴氏は、有力な男性政治リーダーの妻や娘が政治リーダーになるという多くの例にもれず、多くの国、特に家父長制の国では、家格の高さが女性であるという弱点を消し去ることを示している。
女性政治家の存在は、ここ数十年の間に男女平等を求める声が世界中に広まっていることを反映したものだろう。
しかし、名門出身の女性政治家は、女性や社会的少数派の地位向上や権利拡大を着実にもたらす要因というよりは、人気取りのための「お飾り」のような存在というほうが近いといえそうだ。
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本記事の執筆者スンソク・ムン氏は、米ヴァッサー大学教授(社会学)で、韓国の社会・政治問題などについての著書があります。