金正恩氏が「新年の辞」 南北対立解消と経済立て直しを強調
(CNN) 北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)第1書記は1日、自身初の「新年の辞」の演説を行い、困窮する経済の立て直しに「総力を上げる」よう国民に呼び掛けるとともに、南北統一に向け、韓国との関係改善の重要性を強調した。
演説は、国営メディアがテレビ放送した。北朝鮮の指導者が新年の辞の演説を行うのは、金正恩氏の祖父である故金日成(キムイルソン)主席が1994年に行って以来だ。父親の故金正日(キムジョンイル)総書記は17年の任期中、新年の辞の演説は行わず、国営紙の社説で施政方針を発表していた。
正恩氏は演説の中で、北朝鮮が先月強行した長距離ロケットの打ち上げに触れ、「すべての兵士や国民に勝利と勇気を確信させ、活力を与える素晴らしいイベントだった。朝鮮は決意したことを必ず実行することを明確に示した」と称賛した。
正恩氏は、ロケット打ち上げを困窮する北朝鮮経済の立て直しと結びつけ、「宇宙征服で見せた精神と気迫で大きな転換を図り、経済大国を目指そう」と国民に呼び掛けた。しかし工業・農業生産を増やすための具体策については詳しく述べなかった。
韓国との緊張関係については、南北統一のために両国の「対立」を解消することが重要と述べ、韓国の「統一に反対する勢力」の「敵視政策」を批判した。
先月の韓国大統領選で勝利し2月に大統領に就任する朴槿恵(パククネ)氏は、現職の李明博(イミョンバク)大統領以上に北朝鮮政府との関係を深めると明言しているが、北朝鮮がロケット打ち上げを強行したことで、今後は難しい対応を迫られそうだ。